「音楽史の方向を変えたと論理的に主張できる作曲家はほんの一握りしかいないが、スティーヴ・ライヒはその一人である」(ガーディアン紙)。1936年ニューヨーク生まれ。57年コーネル大学哲学科卒業。57〜58年ホール・オーヴァートンに作曲を師事。58〜61年ジュリアード音楽院にてウィリアム・バーグスマとヴィンセント・パーシケッティに師事。また63年にはミルズカレッジで音楽博士号を取得。同校ではルチアーノ・ベリオとダリウス・ミヨーに師事した。
1966年に自らのアンサンブル“スティーヴ・ライヒ&ミュージシャンズ”を創設。70年夏にはガーナ大学アフリカ研究所にてドラミングを習得。73年、74年には、バリのガムラン音楽を学び、76〜77年にはニューヨークとエルサレムでヘブライ経典の伝統的詠唱法を研究した。84年、初の大規模管弦楽曲《砂漠の音楽》を発表、絶賛を博す。88年秋にはロンドンのサウスバンク・センターで10日間にわたるライヒ回顧展が開催され、ここで発表された《ディファレント・トレインズ》によって、あらかじめ録音された人間の話し言葉が楽器への音楽的な要素に成り得るという新しい作曲語法を示した。90年、同作品でグラミー賞(ベスト・コンテンポラリー・コンポジション部門)を受賞。93年にはヴィジュアル・ミュージック・シアター《The Cave》を、ヴィデオ・アーティストのベリル・コロットと指揮者ポール・ヒリアーとともに製作、世界各地を巡回公演(日本では1997年に上演)。1996年、ライヒ&ミュージシャンズ来日公演。99年、《18人の音楽家のための音楽》で2度目のグラミーを受賞。同年7月に大規模な回顧展がリンカーン・センター・フェスティバルにて開催された。2002年、大作《Three Tales》を発表。2006年には70歳を記念する大規模なプロジェクトが欧米で実施された。
1994年アメリカ学士委員会、95年バイエルン芸術アカデミーに選出。また、95年コマンドゥール芸術文化勲章、2000年コロンビア大学よりシューマン賞、2006年第18回高松宮殿下記念世界文化賞受賞、2007年ポーラー音楽賞(スウェーデン王立音楽アカデミー主催)など受章・受賞多数。



指揮者/作曲家。ジョン・アダムズ、ピエール・ブーレーズ、ルチアーノ・ベリオ、エリオット・カーター、エルヴィス・コステロ、スティーヴ・ライヒ、マイケル・ティルソン・トーマス、DJスプーキー、チャールズ・ウォリネンらとの共同作業や、ロサンゼルス・フィル、アンサンブル・モデルン、ザールブリュッケン放送響、ベルリン・ドイツ響、フランクフルト放送響などへの客演を通じて、現代音楽のスペシャリストとして20年以上にわたり活躍している。CDは、アンサンブル・モデルンらを指揮した《18人の音楽家のための音楽》、ライヒ・アンサンブルとシナジー・ヴォーカルズを指揮した《スリー・テイルズ》、ライヒ・アンサンブルを指揮した《シティ・ライフ》などのライヒ作品のほか、Tzadikレーベルから自作集CDがリリースされている。1989年から94年にかけてタングルウッド・ミュージックセンターでオリヴァー・ナッセンに師事、アシスタント指揮者をつとめた。現在、イーストマン音楽学校准教授。
桐朋学園大学、アントワープ音楽院で学ぶ。1997年ガウデアムス国際現代音楽コンクール第3位。「アンサンブル・ノマド」のピアニスト、指揮者を務めるほか、他分野のアーティストとのコラボレーションや音楽祭のプロデュースでも活躍。現在、お茶の水女子大学、桐朋学園大学などで後進の指導も行っている。